株式会社プリス

基礎(スプレードライヤー スプレークーラー)

【スプレードライヤーテストレポート】ディスク回転数と粒子径、形状の相関について

2016.04.20更新

スプレードライヤーの特徴として、球形で粒度分布のシャープな粉が作成できます。

噴霧方式は大きく分けて、ディスク方式とノズル方式があります。

ディスク方式とは、高速回転ディスクに連続的に送液し、遠心力を利用して噴霧する方式です。ディスク方式の優位点の一つは、回転数を可変させることにより、容易に粒子径の大きさを変えることが可能な点です。

今回のスプレードライヤーテストでは、ディスクの回転数のみを変更、その他条件は一定として、得られる粒子の径、形状を確認しました。

今回テストに使用した装置

ターニング式スプレードライヤー TR160

写真1 ターニング式スプレードライヤーTR160

【スプレードライ条件】

使用装置:ターニング式スプレードライヤー TR160(乾燥室径φ1600mm)
ディスク回転数:18000rpm、12000rpm、8000rpm
原液供給速度:5kg/h
温度条件:入口温度150℃ / 出口温度80~85℃

【スラリー条件】

原料:アルミナ 50wt%
溶媒:精製水 49.75wt%
バインダー:PVA 0.25wt%
粘度:2200mPa・s
液比重:1.5g/ml

上記条件にてスプレードライヤーテストを実施した所、粒度分布、円形度、アスペクト比が図1、図2、図3の結果となりました。 (測定装置:マルバーン製morphologi G3)

測定結果

図1 粒度分布(体積)
赤:8000rpm
青:12000rpm
緑:18000rpm

図2 円形度
赤:8000rpm
青:12000rpm
緑:18000rpm

図3 アスペクト比
赤:8000rpm
青:12000rpm
緑:18000rpm

図1のように、粒度分布はディスクが高回転である程、粒度分布が小さくなっていることが確認できます。具体的な数字としては、18000rpmでDv50:34μm、12000rpmでDv50:53μm、8000rpmでDv50:60μmとなっています。

図2のように、円形度はディスク回転数が低い程、円に近い形状となっています。

図3のアスペクト比も、円形度同様にディスク回転数が低い程、楕円形ではない、縦横が同等に近い形状となっています。

円形度、アスペクト比共に高い結果を示した8000rpmの写真2が下記になります。

写真2 8000rpm粒子写真

写真2のように、真円に近い粒子が捕集できていることが確認できます。

今回のスプレードライヤーテスト結果として、ディスクの回転数が高い程粒子は小さく、低い程大きくなり、円形度、アスペクト比は粒子が大きい程、より真円状の粒子となることが確認できました。粒子が大きくなったことにより、粒子の表面積が小さくなり、乾燥速度が遅くなります。乾燥速度が遅くなったことにより、液滴の表面張力が働いて、より真球状に近づいてから乾燥され、粒子となっているためと考えられます。

本件につきまして、お問い合わせの方は下記連絡先またはWebサイトのお問い合わせよりご連絡頂きたいと思います。

プリスではスプレードライヤー設計・製作、テスト・受託加工業務を請け負っています。

お気軽にお問い合わせ下さい。

株式会社プリス
乾燥機械部 川口晋也
〒210-0852 神奈川県川崎市川崎区鋼管通4-16-20
Tel :044-328-7665
Fax:044-322-7787