株式会社プリス

スプレードライヤー スプレークーラー

【スプレークーラーテストレポート】スプレークーラーやってみた

2018.08.02更新

今回の試験では、スプレークーラーを利用したテストを実施します。

スプレークーラーとは、スプレードライヤーの技術を応用した装置であり、加熱溶融した原料(原液)を冷気中に噴霧することにより 冷却凝固させ球状粒子を製造する装置です。
※スプレークーラーの詳細については、「スプレークーラー」を参照。

今回はディスク方式を利用し、ディスク回転数のみ変更して粒子径・形状がどう変化するか検証します。

 

今回テストに使用した原料(ペレット状のパラフィンワックス)

パラフィンワックス

写真1 ペレット状のパラフィンワックス

今回テストに使用した装置と送液部

中型スプレードライヤー P260

写真2 中型スプレードライヤー P260

スプレークーラー送液部

写真3 スプレークーラー送液部の写真(使用装置天井部での撮影)

 ※写真3のそれぞれの説明 ①原料(85℃で溶解) ②送液ポンプ ③アトマイザー (① → ② →③ の順で原液が流れ、処理を行う。)

今回テストの条件

【スプレードライ条件】

使用装置: 中型スプレードライヤー P260(乾燥室径φ2600mm)
ディスク回転数: 12,000rpm,6,000rpm,3,000rpm
温度条件: 入口温度35℃ / 出口温度33~35℃

【原液条件】

原料: パラフィンワックス(85℃で溶解)

上記条件にてスプレークーラーテストを実施したところ、粒度分布が以下の結果となりました。 (測定装置:マルバーン製morphologi G3)


測定結果

表1 ディスク回転数違いによる粒度分布Dv50(μm)

ディスク回転数 粒度分布Dv50(μm)
12,000 75.8
6,000 118.7
3,000 241.7

図1 粒度分布(体積)
赤:12,000回転
緑:6,000回転
青:3,000回転

図2 円形度
赤:12,000回転
緑:6,000回転
青:3,000回転

図3 アスペクト比
赤:12,000回転
緑:6,000回転
青:3,000回転

図1より、ディスク回転数を下げることで粒子径が大きくなることが確認できました。
図2の円形度より、ディスク回転数が低い程円に近い形状となっており、図3のアスペクト比もディスク回転数が低い程、楕円形ではない、縦横が同等に近い形状となりました。
結果、図2,3よりディスク回転数が低い程、真円に近い粒子を得られた結果となります。

これは粒子が大きくなったことにより、粒子の表面積が小さくなり、冷却速度が遅くなります。冷却速度が遅くなったことにより、
液滴の表面張力が働いて、より真球状に近づいてから冷却され、粒子となっているためと考えられます。
※ディスク回転数違いについては「技術情報 【スプレードライヤーテストレポート】ディスク回転数と粒子径、形状の相関について」も参照。

実際の顕微鏡写真が下記となります。

ディスク回転数12,000回転時の顕微鏡写真

図4 ディスク回転数12,000回転時の顕微鏡写真

ディスク回転数6,000回転時の顕微鏡写真

図5 ディスク回転数6,000回転時の顕微鏡写真

ディスク回転数3,000回転時の顕微鏡写真

図6 ディスク回転数3,000回転時の顕微鏡写真

実際の顕微鏡写真図3~6からも、ディスク回転数が低い程丸みの粒子が得られたことが確認できます。
(ディスク回転数が高いと異形の・・・丸じゃない粒子が多い・・・普段はもっとキレイな丸・・・)

今回のテストでは、スプレークーラーを使用したことで、ペレット状の原料が、丸みをもった流動性の良い球状粒子として得られたことが確認できました。

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