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基礎(スプレードライヤー スプレークーラー)

【スプレードライヤーテストレポート】製品捕集方式の違いによる粒子径の比較

2018.06.28更新

スプレードライヤーにはいくつかの製品捕集方式があります。
※製品捕集方式の詳細については、「スプレードライヤーとは ~製品捕集~」を参照。

今回のスプレードライヤーテストでは、
「二点捕集方式」「サイクロン捕集方式」の製品捕集方式について
ぞれぞれディスク回転数を高回転・低回転で試験を行い、製品捕集方式のみを変更、その他条件は一定として、得られる粒子の径を比較しました。

測定条件

【スプレードライ条件】

使用装置: ターニング式スプレードライヤー TR160(乾燥室径φ1600mm)
ディスク回転数: 18000rpm、8000rpm
原液供給速度: 5kg/h
温度条件: 入口温度200℃ / 出口温度85~101℃

【スラリー条件】

原料: アルミナ 50wt%
溶媒: 精製水 49.75wt%
バインダー: PVA 0.25wt%
粘度: 300mPa・s
液比重: 1.55g/ml

上記条件にてスプレードライヤーテストを実施した所、粒度分布が以下の結果となりました。

測定結果

表1 粒度分布Dv50(μm)

回転数(rpm) 製品捕集方式 粒度分布Dv50(μm)
乾燥室下 サイクロン下
18000 二点捕集方式 28.9 12.9
サイクロン捕集方式 23.9
8000 二点捕集方式 45.1 37.7
サイクロン捕集方式 40.4

図1 粒度分布(体積)_回転数18000rpm
赤:二点捕集方式(乾燥室下)
緑:二点捕集方式(サイクロン下)
青:サイクロン捕集方式

図2 粒度分布(体積)_回転数8000rpm
赤:二点捕集方式(乾燥室下)
緑:二点捕集方式(サイクロン下)
青:サイクロン捕集方式

上記測定結果より、高回転・低回転共に回収粉の粒子径は
二点捕集方式(乾燥室下) > サイクロン捕集方式 > 二点捕集方式(サイクロン下)
の結果となりました。

二点捕集方式を行うことで回収粉を分級(本体下・サイクロン下)することができ、分級する必要がない場合にはサイクロン捕集方式を採用することで後工程での混合処理等を省略することが可能であると考えれます。


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